2025年12月に24TBのHDD(Seagate Barracuda ST20000DM001)を買ってデータで埋めたので、速度変化を簡単にメモしておきたい。相対的に割安になっているのもあり、気になっている人も多いかと思う。今回だいぶ手を抜いて測定しており、本格測定ではない点に注意。もっとも、これだけデータがあれば推定は容易かと思われる。
20TBのST20000DM001も測定しているので、より安いものが欲しい人は要チェックかもしれない。
まえがき


HDD→HDDとコピーする場合、コピー元HDDの速度に引っ張られてコピー先HDDの速度がわからないので、SSD→HDDとコピーすることで速度を判定した。HDD→HDDのコピーの合間に10~100GB程度のデータを書き込む方法をとった。
(といっても、コピー元のデータが入っているHDDもWD180EDGZという18TBのハイエンドではあり、序盤では200MB/sとそれなりの速度は出てくれた)
ちなみに、最も売れているであろうHDD・WDブルーの8TB(WD80EAZZ/WD80EAAZ)のうちEAZZのほうは私自身8台くらい使っていたが、どれも最外周では200MB/s出るものの最内周では100MB/sを切っていたので、性能差は確実にあると考えられる。Seagateの8TB・ST8000DM004との差はそれ以上にあるので、Seagateの新型24TBは性能で見てもお買い得感がある。ST20000DM001、ST16000DM001も同様の特性を持つと思われ、手持ちのST20000DM001でもチェックした。ST16000DM001は持ってないのでできない。いつか買う可能性…はないと思う。
PC WatchにWD80EAZZの記事が出ていて速度も測定されているので、それも参考にしていただきたい。
あと、1つのデータが数MB以下のファイルを大量に書き込む場合は今回の結果よりも速度が大幅に落ち込む。私が書き込んでいるデータのほぼ全ては1ファイルあたり数百MB~数十GBの動画データなため、画像など小さいファイル大量に書き込む場合には参考にならないことをあらかじめ注意してご覧いただきたい。といっても、このクラスのHDDが必要な層のほとんどは扱うデータの1つ1つが巨大だろうとは思うけども。
ST24000DM001およびST20000DM001の基本的なレビューだが、起動中の音は気にならないというか、よく使う東芝の18TBのほうがゴリゴリうるさいので相対的には問題ない。この2つのHDD(とST16000DM001)は2010年代には実用化と言われながら結局2024年頃にその技術を使ったものが出てきたHAMRという技術を使っていると言われていて、新技術搭載品なのは間違いない。ただヘリウムが入ってそうな堅牢な作りだったり、どう見てもサーバグレード品の見た目なので、故障率もそんなに高くはならなそうにも感じる。が使ってみないとわからない。現状私が使ったことがある8TB以上のHDDで故障経験があるのはST8000AS0002のみ、ヘリウム入り品では1度もない。3万時間稼働させた経験も複数あるんだけども。
実践編(24TB)
最外周は250MB/sくらい。255MB/sくらいまでは出た。

その後3TBくらいHDD→HDDと書き込んだが、大体その時の速度は170~200MB/sくらいだった。コピー元・WD180EDGZの全力がこれくらいか?と思われるが、実際にはWD180EDGZの全力は230MB/sくらいだった(あとでわかった)。
3.05TB程度書込後測定。

最初こそ230MB/s程度だったが途中から240~248MB/sくらいで維持していた。WD80EAZZであれば200MB/sをとっくに切って160~170MB/sの段階なので、かなり優秀と言える。NVMeのSSDでも安物の外れを引くと、データを半分以上埋めた段階になると書込が100MB/sも出せなくなるものが出てくる(読込は1GB/s以上となり爆速)。そんなSSDと比較すると、HDDの意外な優秀さを感じられる。
さらに3.5TB書き込む。その時の速度は途中まで150~185MB/s程度。そしてあるタイミングからはコピー元データの入っているHDDがちょっとした断片化を起こしているのもあって、速度が120MB/s程度まで落ちてしまうこともあれば、170~230MB/sまで一気に回復することもあった(平均的には120~150MB/s程度をいったりきたりだった)。データは全て1ファイルあたりGBクラスの動画ばっかりだから、極端な速度低下はないのだけども。
そして6時間半かけて3.5TB分のデータを移し終え(合計6.6TB)、3回目の計測。

WD80EAZZ/WD80EAAZでは6.6TB埋めればあとは700GB程度しか空きがない。その状態だと100MB/sを切るか切らないかくらいにまで速度が落ちる。それと比較すると大体220~230MB/sと倍以上の速度であり、この時点でパフォーマンスの良さを感じることができる。
10.5TB程度書込後の計測。

24TB、天使の取り分が2.2TBなので実質的には21.8TB、ということは10.5TB書き込んだ後であってもまだ半分も使っていない。10TB分のデータが大体200MB/s以上で扱えるのは強い。上が210~220MB/s、下は190~200MB/sだった。さすがに200MB/sを下回るケースも出てきたが。
HDDを使っている人の大半は、8TB(実質7.27TB)のHDDが1台もしくは2台あれば充分すぎるほどと勝手に考える。となると、16TB未満(実質14.54TB未満)の大きなデータを使わない人に恩恵は大きい。
16.7TB程度書込後の計測。

170MB/s前後を行き来している。180MB/s出ることもあれば155MB/s程度のことも。さすがに3/4書込しているので速度は落ちている。ただ埋まり具合を見れば驚異的な速度。
18.2TB程度書込時の計測。150~160MB/sで比較的安定も、130MB/s程度まで落ち込むことがあった。

HDD→HDDへのコピー中、20TB前後を書込時に115~135MB/s(平均的には130MB/s前後)となっていた。90%以上使用しての最内周ではさすがに速度は出ない。ここまで埋める人にとっては懸念点だろうけども、その対象はたかだか2TB程度となるので大した心配事でもないと思われる。
20.8TB書込時。125MB/sくらいが平均となった。

最終、21.2TB弱書込時。115~125MB/sくらいが平均。まだ600GBくらい余っているが、今後埋める予定があるのでここは現状空きスペースとなる予定。


実践編(20TB)
さて、20TBの計測も始まる。まずは何も書き込んでいない場合の速度から。24TBとの差はない。

2.9TB書込後。24TBの3.05TB書込後とほぼほぼ変わらない。

5.3TB書込後。24TBの6.6TB書込後比較でほぼ変わらない。20TB・5.3TB後との比較なので参考にならないかも。

10.2TB書込後。ここで差が出始めた。24TBの10.5TB書込後より遅い。24TBにおける12TB書込後がこれくらいの速度になるのかもしれない。

12.7TB書込後。24TBの16.7TB書込後よりちょっとだけ高速な程度。

15.1TB書込後。24TBにおける18.2TB書込後とほぼ同一速度。どちらも80%程度埋まっている。24TBと20TBは性能的にはほぼ同じで、容量分が少ない分だけ20TBの速度低下が早いと見るのがよさそうに思う。

16.7TB書込後。24TBにおける16.7TB書込後よりも速度が遅いが、20.8TB書込後よりは早い。

17.3TB書込後。最内周側なだけに速度は出ない。残り800GB。

17.7TB書込後。残り400GB。110~120MB/s前後での書込が続いた。

18.0TB書込後。残り50GB程度から書き込むとさすがに速度は遅かった。

50GB空いているが、管理が煩雑になるのでこれ以上は書き込まない。

総評
24TBについて、10TB分データを埋めた段階でも200MB/s以上、16TB分埋めても170MB/s以上出るというのはかなり優秀。最内周も110~120MB/s前後出てるなら問題ないだろう。20TBと24TBは両方のデータを見る限り、プラッタ枚数が違うだけ?で速度の仕様はほぼ同じみたいな気がする。◯◯%埋まったときの速度はどっちもほぼ同じで、20TBと24TBの容量だけが4TB分違うというだけか。推測だが16TBも同じ挙動をしそう。
速度の面から見るとこれらのシリーズ、性能と最近の8TBの高騰を考えるとかなりお買い得とは思う。8TBのHDDに割高感を感じている人は要チェックとは思うが、8TBも埋めないって人にはそれでも過剰な可能性はある。16TB版との価格差があまりないので、24TBが割高と感じている人にとっては20TBや16TBなら選択肢になるのか。
あと故障するかどうかについては、ストレージ全般で言えることだが家庭用・個人用で使う程度の台数(多くても10台単位)では運次第としか言えない。なので基本的に故障するものと考えて、常にバックアップをとっていることが重要で、そうしないのは非常によろしくない。データロストが嫌な方はもう1台買って常にバックアップをとっていただきたい。バックアップなしの状態で故障して業者に出すとHDDが10台買えるくらいのお金をとられることもあるため、バックアップは重要。極端な話、1台新品で買って祈るよりも、2台中古で買って故障前提で運用するほうがいい。「もしかしてお前、24TBのHDDのバックアップ用も持ってるのかよ」と思った人もいるかもしれないが、当然持っている。というかそのバックアップがST20000DM001である。そしてメインで使うHDDにはもう1つ、18TBの東芝HDDが1台あり、そのバックアップには18TBのWDのHDDが使われることになる。
高い買い物になると思われるので、買う前には他の人のレビューとかも見て購入を決めてほしいと思う。価格とかちもろぐさんとかにレビューがあるのは確認した。
おまけ・QLC SSD(ハズレ)のひどすぎる書込速度
ついでにQLC SSD(2TB)を倉庫用にさせるためNVMe→NVMeと移動させたら酷いことになった。終売してるかと思ってたらまだ売ってて、しかも私が買った時の事実上2倍の値段しているのでヤバい。
200GB埋まった段階で500GB分のデータを移動させ始めた。まずはこの速度。まあ優秀。

ところが、300GB程度書き込んだ後に突然データの書込がストップする。たぶんキャッシュ切れ。切れたあとに数分程度0byte/sが続いた。

そしてその後、USB2.0(理論最大60MB/s、実測40MB/s前後)を下回る速度で書込が続いていく。これがハズレQLC SSDの恐怖。遅すぎ。

こんなSSDでも書き込んだ後の読み込みだけならちゃんと理論上の最高速度が出るので、我慢して書き込んだ後は読み込み専用として使うしかない。つまり画像保管庫としてしか使えない。「SSDは値段じゃなくて性能で買うべき」と私は考えているが、つまりこういうSSDに当たらないための自衛手段でもある。

